倫理観ちゃんのブログ

最高の人生にする

品川発名古屋行最終列車にて

不穏なことは避けたいけれど、不幸な空気に浸っている自分は好きだったりしたので、今少しガッカリしている。永遠に好きだと思っていたのに、自分の永遠の脆さに失望している。好きのフィルターを通して見ていた彼と、冷静な頭で判断した彼とのギャップに拍子抜けした。

この6ヶ月で、彼もあたしも変わった。

彼は思わせぶりなことをしなくなった。あたしを抱きしめて寝なくなった。見送ってくれなくなった。あたしは期待をしなくなった。彼があたしのことを好きかもしれないなんて思わなくなった。帰り際に彼を振り返らなくなった。

6ヶ月は、変わるのに十分すぎる期間だった。

男の人って好きな人を抱くときに多分「かわいい」とか「すき」とか「きもちい?」とか言葉を発するんじゃないだろうか。抱きしめたりするんだろうな。そういうことを経験したからこそ分かるよ。いつもあたしがお願いしていたからキスもハグもしてくれる。会いに行くから会ってくれる。それは別に好きとかじゃなくて、断らないだけだなあと。たくさん男の人と遊んだから分かるよ。別に好きな女の子じゃなくても駅まで送ってくれるし、スーツケースを持ってくれるんだって。それは男としての義務的なものだって。

彼は「愛とは何か」の議論を喫茶店で盗み聞きして茶化して笑っていたけど、あたしの愛とは自己犠牲だと思う。つくづく不幸な女だよな。

強いビル風に吹かれたら、彼の香水がフワリと香って、変わってないのここだけだなあ、なんてヘラヘラした。あーあたしはこの匂いが狂おしいほど欲しかったんだよなあ。

愛とか羨望とか浅ましさとか性欲とか意地とかをグチャグチャに混ぜて必死で成形した壊れる寸前みたいな感情を、足で踏み潰したのは紛れもなく君だよ。あたし実はセフレのこと好きになりやすいし、実はイルミネーションとか好きだし、実は朝起きたらおはようってキスして欲しいし、黙ってたけどめんどくさい女だよ。君の「合格」になれてたはずはないけど、「不合格ではない」のラインで居られるように必死だったよ。それに気付けないなんて、それに気付こうとしないなんて、馬鹿だなあほんとに。

さよなら、君には一生「好きな人」でいて欲しかった。だけどもう、さよなら。